コラム

初めてでも安心!ドッグカフェ完全ガイド――行く前の準備からマナー、犬への安全な接し方とトラブル対応まで

行く前に確認すべきルールや持ち物は何?

以下は、ドッグカフェに行く前に確認すべきルールと、持っていくと安心な持ち物を体系的にまとめたガイドです。

ドッグカフェには大きく分けて「同伴型(自分の犬と一緒に入店)」と「ふれあい型(お店の看板犬や保護犬と触れ合う)」があり、必要な準備が少し異なります。

まずタイプを把握したうえで、ルール→持ち物→事前準備→根拠の順に確認するのがおすすめです。

まず確認 そのカフェのタイプ

– 同伴型(犬同伴可のカフェ) 自分の犬と入店する前提。

ワクチン証明やマナーウェアなどのルールが細かいことが多い。

– ふれあい型(看板犬・保護犬と触れ合う) 衛生・安全・動物福祉上の制限や年齢制限が設けられやすい。

飲食スペースとふれあいスペースが分かれていることも。

行く前に確認すべき主なルール(共通)

– 予約・滞在時間・料金
・予約の要否、混雑時の時間制(60〜90分制など)、席料やふれあい料金、ワンドリンク制の有無。

– 写真・動画の可否
・フラッシュ禁止、他のお客さんやスタッフの映り込み配慮、SNS投稿ルール。

– 子ども同伴の条件
・年齢制限、保護者同伴必須、走り回らない・騒がない等。

安全性と犬のストレス軽減のために設けられる。

– 飲食の範囲
・犬用メニューの有無、持ち込み可否(基本は不可が多い)、人間の食べ物を犬に与えるのは原則禁止。

– 清潔・衛生ルール
・手指消毒、入退室時の導線(靴裏消毒マット等)、コートやバッグの置き場所。

– 写真以外の一般マナー
・寝ている犬を起こさない、追いかけない、抱っこはスタッフ許可制、嫌がるサイン(唇を舐める・顔を背ける・固まる等)が出たら中止。

行く前に確認すべきルール(自分の犬を同伴する場合)

– 予防・健康証明
・狂犬病予防注射済票(1年以内)と畜犬登録、混合ワクチン(5〜8種など)接種証明(施設により1年以内・3年以内の基準差あり)。

・ノミ・ダニ予防、寄生虫対策(投与済みの証明や申告)。

・体調不良(咳、下痢、発熱、伝染性疾患疑い)は入店不可。

– 発情期・去勢避妊
・発情中の雌犬は多くの施設で入店不可。

トラブル防止のため。

– リード・係留
・ノーリード不可が基本。

伸縮リード禁止または固定リード必須という規定が多い(絡み事故防止)。

– マナーウェア・マーキング対策
・室内ではマナーベルト・オムツ着用が義務または推奨の施設あり。

入店前の排泄済ませ指示。

– 席・家具の扱い
・椅子やソファはNGまたはブランケット必須。

テーブルに前足をかけさせない等。

– おやつ・おもちゃ
・アレルギー事故防止のため外部持ち込み禁止が一般的。

与える場合は店内販売の犬用おやつのみ可が多い。

– 多頭・サイズ分け
・頭数制限、同席可能サイズの制限、ゾーニング(小型犬・大型犬エリア分け)に従う。

– トレーニング・コントロール
・過度な吠え、噛みつき、飛びつきが改善できない場合は退店依頼の可能性。

基本コマンド(待て・呼び戻し・離して)が望ましい。

行く前に確認すべきルール(ふれあい型の場合)

– 触れ合いの作法
・初対面で頭上から手を出さない、正面凝視しない、犬の意思を尊重(嫌がれば中止)。

・抱っこ・おやつ・撮影はスタッフの指示優先。

– 人側の衛生
・アルコール消毒、衣類・アクセサリーの制限(長い紐・大ぶりピアスは引っかかり事故のリスク)。

– 体調・服装
・香水・柔軟剤の強い香りは回避(嗅覚刺激)、滑りやすい靴や長いスカートは踏まれ事故の恐れ。

– 年齢・人数制限
・未就学児不可・小学生は保護者同伴等。

混雑時は入場制限。

持ち物チェックリスト(同伴時の必須)

– 証明書類
・狂犬病予防注射済票(または接種証明)、畜犬登録鑑札、混合ワクチン証明。

写真でも可とする施設ありだが原本推奨。

– リード・ハーネス
・伸縮ではない固定リード(1.2〜1.8m程度が扱いやすい)。

名札・迷子札付き。

首輪は抜け防止に調整。

– マナーウェア
・マナーベルト・オムツ、予備と替え。

特に室内カフェは必携。

– 排泄関連
・うんち袋、トイレシーツ、匂いが漏れにくいゴミ袋。

ウェットティッシュ・ペット用消臭スプレー。

– 清潔・汚れ対策
・足拭きタオル、被毛拭きシート、ブラッシング用ミニコーム。

自席用のブランケット(椅子に乗せる許可がある場合用)。

– 給水・おやつ
・折りたたみボウル、給水ボトル。

おやつは「持込可の場合のみ」、アレルギー成分表示が明確なものを少量。

– キャリー・クレート(必要に応じて)
・落ち着けるハウスとして有効。

公共交通機関利用時は必須。

– その他
・保険(個人賠償責任・ペット保険)証券番号メモ、簡易救急セット(止血パッド、綿ガーゼ、ピンセット)。

持ち物(同伴時のあると便利)

– 冷感マット・クールバンダナ(夏)/コート(冬)
– レインコート・吸水タオル(雨天)
– 服(抜け毛・汚れ対策、皮膚保護)ただし体温調整に配慮
– カフェマット(床で伏せる練習用)
– リードの予備、名札の予備
– 飼い主用 ハンドタオル、ウェットティッシュ、消臭ミスト、粘着クリーナー、現金少額(会計や駐車)、モバイルバッテリー

持ち物(ふれあい型来店者向け)

– 服装・身の回り
・動きやすく汚れても良い服、爪は短く、アクセサリー最小限。

スカートよりパンツが安全。

– 衛生用品
・ハンカチ・ポケットティッシュ・マスク(毛に敏感な方)
– 最小限の手荷物
・ぶら下がるチャームや開放口があるバッグは避ける(誤飲・引っかかり防止)

行く前の健康・しつけ・身だしなみ準備(同伴時)

– 健康
・前日からの体調確認。

咳・鼻水・下痢・嘔吐があれば見送り。

ヒート中は不可。

ノミ・ダニ予防は最新。

– しつけ
・「待て・おいで・離して・伏せ」の練習。

テーブルに前足をかけない、人の食べ物に執着しない練習。

・他犬・他人への過剰反応(吠え、飛びつき)をコントロールする対策。

必要に応じて距離を取る計画。

– グルーミング
・来店前に軽いブラッシング、足裏・爪のチェック、口臭・耳の汚れ確認。

強い体臭はシャンプー後に。

– 排泄
・入店直前にトイレを済ませる。

マーキング癖がある子はマナーベルトを先に装着。

情報の取り方(ルールの確認方法)

– 公式サイトやSNSの「ご利用ガイド」「よくある質問」を必ず確認。

最新情報はInstagramのストーリーズや固定投稿に出ることが多い。

– Googleマップの「最新情報」「クチコミ」でルールや混雑傾向をチェック。

– 不明点(ワクチン証明の形式、マナーウェア必須か、席の犬同伴可否など)は電話で事前確認。

– 公共交通機関利用時は各社のペット乗車ルール(完全収納・サイズ・料金)を事前確認。

路線により細部が異なる。

なぜそのルールや持ち物が必要か(根拠)

– 狂犬病予防と畜犬登録
・日本では狂犬病予防法により、飼い犬の登録と毎年の狂犬病予防注射が義務(狂犬病予防法)。

多くのドッグカフェ・ドッグランはこれを入場条件にしており、証明の提示を求めます。

施設側は多数の犬が集まる場を管理するため、遵守確認が合理的です。

– 混合ワクチン・寄生虫対策
・犬パルボやジステンパー、犬伝染性気管気管支炎(いわゆるケンネルコフ)など、集団環境でリスクが高まる感染症に対する予防の実務的要請。

ノミ・ダニは人にも媒介リスクがあり(皮膚炎や人獣共通感染症)、屋内施設での予防は必須とされがちです(獣医実務の一般指針)。

– マナーウェア・マーキング対策
・新環境ではオス犬のマーキングが増えやすく、家具・衛生の保全上、屋内ではマナーベルトが広く採用されています。

衛生保持と他客への配慮の観点から合理的です。

– 伸縮リード禁止
・混雑・狭所では伸縮リードが絡み事故や転倒の原因となるため、固定リードが安全(事故防止の一般的安全基準)。

多くの店舗・ドッグラン規約に明記されています。

– 発情中の雌犬の入店制限
・他犬のマウント行動や争いを誘発しやすく、ストレス・怪我・迷子リスクが上がるため。

ドッグランや屋内施設の標準規定です。

– おやつ持ち込み制限
・犬の食物アレルギーは一定数存在し、成分不明・交差汚染のリスクがあるため外部おやつは原則禁止、または店内購入品限定とするのが一般的。

事故防止の観点から妥当です。

– 子ども同伴の制限
・予測不能な動きや大声は犬のストレス・事故の原因になりやすく、施設責任・動物福祉の観点で年齢制限や保護者同伴を設けるのが通例です(動物の愛護及び管理に関する法律の趣旨に沿った配慮)。

– ふれあい型施設のルール背景
・「展示(ふれあい)業」は動物取扱業の許可・表示が必要で、動物のストレス軽減や衛生管理を求める指針が示されています(動物の愛護及び管理に関する法律、第一種動物取扱業、環境省ガイドライン)。

フラッシュ撮影禁止、休息時間の確保、過密回避などはこの趣旨に基づきます。

– 公共交通機関でのキャリー義務
・鉄道各社はペットを「手回り品」として取り扱い、完全収納(頭や手足を出さない)・サイズ/重量制限・運賃規定を設けています。

トラブル防止と衛生管理のためで、事前確認が必要です。

まとめのクイックチェック

– その店は同伴型?
ふれあい型?

– 予約は必要?
滞在時間と料金は?

– ワクチン・狂犬病の証明は用意した?

– マナーウェア・固定リード・排泄用品・給水はある?

– おやつ持ち込みはOK?
NGなら店内で買う?

– 子ども同伴や撮影のルールは確認済み?

– 体調・ノミダニ予防・しつけ(呼び戻し等)は整っている?

– 移動手段(車・電車)のルールは押さえた?

この準備をしておけば、多くのドッグカフェでスムーズかつ安全・快適に過ごせます。

特に初めて行く店舗では、証明書類(狂犬病・混合ワクチン)とマナーウェア、固定リード、排泄・清掃用品は忘れないようにしましょう。

店舗ごとの細則は必ず事前に公式情報で確認し、不明点は電話で確認するのが確実です。

入店から着席までの基本マナーは?

以下は、ドッグカフェで「入店から着席まで」に押さえておきたい基本マナーを、犬連れの方・犬連れでない方の双方向けに、理由(根拠)とあわせて体系的にまとめたガイドです。

安全・衛生・動物福祉・他のお客さまへの配慮という4つの視点を軸にしています。

来店前の準備と確認

– 店舗ルールの事前確認
予約の要否、同伴可能な頭数・サイズ、店内とテラスでの可否、犬を椅子やソファに乗せるルール、マナーパンツの着用規定、犬用フードの持込可否、写真撮影ポリシーなどを事前に確認。

根拠 ドッグカフェは自治体の保健所の指導と各店舗の衛生・安全ポリシーで運営されています。

ルール遵守が前提であり、違反は衛生・事故リスクや他客の快適性を損ないます。

健康管理と証明類
狂犬病予防法に基づく登録・狂犬病予防注射は義務です。

店舗によっては注射済票やワクチン証明(混合ワクチンは法的義務ではないが店舗要件の場合あり)、寄生虫予防の実施を求めることがあります。

体調不良(下痢、咳、発熱、皮膚トラブル)の犬は来店を控える。

根拠 公衆衛生と人獣共通感染症の予防、店内での拡散防止、他犬への感染配慮。

排泄・身だしなみ
入店前に散歩で排泄を済ませる。

被毛や足先の汚れを簡単に整え、雨天時は足拭き用タオルを持参。

強い香水やスプレーは避ける。

爪が長い場合は事前に整える。

根拠 店舗衛生と他客の快適性、滑りや引っかきによる事故防止、嗅覚の鋭い犬への配慮。

装備品と持ち物
伸縮リードは店内ではロックするか、固定式の短いリードに付け替え。

名札付き首輪・ハーネス、うんち袋、ウェットティッシュ、マナーベルト/パンツ、ブランケットやマット、飲水ボトルを用意。

根拠 店内での急な飛び出し・絡まり事故の予防、マーキング対策、落ち着ける場所の提供によるストレス軽減。

入店直前の立ち居振る舞い

– 行列・待機時の距離感
他犬と1.5~2メートル程度の距離を保ち、正面対面を避けて斜め位置をキープ。

近くで待つ必要がある場合は犬を自分の体の陰に入れて視線を切る。

根拠 犬のボディランゲージ上、正面からの接近は緊張や威圧になりやすく、吠え・突発的な接触を誘発しやすい。

ドア周りの安全管理
犬は必ずリードを短く保持し、人が先に出入りして犬は後から。

二重扉の場合は各扉ごとに停止・確認。

根拠 逸走・衝突防止。

ドアは興奮を誘発しやすい環境刺激点です。

入店時の声かけと最初の所作

– 最初の一声
入店時に「犬連れです/頭数/大きさ」「初めての利用」等をスタッフに伝える。

看板犬や他犬が近くにいる場合は、スタッフの誘導を待つ。

根拠 店舗側が最適な席配置や導線を判断でき、混雑時の安全確保に直結。

手指衛生と足拭き
手指の消毒、犬の足拭き(店が設置の足洗い場・タオルがあれば利用)。

雨天・泥汚れは入店前に重点対応。

根拠 飲食空間の衛生維持。

におい・汚れはマーキングやグルーミング誘発の一因にも。

先に触れ合わない
入店直後は犬同士・人との挨拶を控え、まず席へ。

触れ合いは着席・落ち着いてから、相手の許可を得て実施。

根拠 環境変化直後は覚醒水準が高く、事故率が上がります。

落ち着いた状態を作るのが安全。

着席までの導線とすれ違い

– 通路は最小限の動線で
スタッフの先導に従い、犬は自分の外側ではなく体側(通路側でない側)につける。

すれ違い時は相手との間に自分の体を入れる。

根拠 すれ違いでの突然の接触・におい取り・飛びつきの抑制。

他犬との挨拶は「声かけ→短時間→解散」
近づける前に必ず相手飼い主に許可を取り、斜めからゆっくり接近。

鼻先を合わせるより、肩や横からの匂い取りを優先。

初回は2~3秒で解散し、問題がなければ再度短く。

根拠 犬のカーミングシグナル(視線外し、体を曲げる、あくび、鼻舐め等)を尊重し、興奮が高まる前に区切るのが安全。

緊張サインを見極める
体が固くなる、尻尾が高く固まる/巻き込み、耳が後方、白目(ホエールアイ)、連続のあくび・鼻舐め、震え、後退などが見えたら距離を取る。

根拠 動物行動学におけるストレスサイン。

早期に介入することで吠え・噛み・飛びつきへの移行を防止。

着席直前・席まわりのマナー

– 席の可否と座り方
犬を椅子やソファへ乗せてよいかは店の規定を確認。

OKの場合もブランケットやマットを敷くのが基本。

NGの場合は床でマットを用意し、リードを短く保持。

根拠 布地の衛生・破損防止、アレルゲン管理。

床の自分のマットは安心の拠点(セーフプレース)になる。

リードの固定方法
テーブル・椅子の脚には固定しない。

飼い主の手で保持するか、壁側の専用フックや自分の腰ベルトにカラビナで安全に固定。

通路にリードを垂らさない。

根拠 家具ごと転倒・引きずり事故防止、通行の妨げ防止。

荷物の置き方
通路や隣席にはみ出さないよう足元の内側にまとめる。

床置きの食べ物や小物は犬が口にしない位置へ。

根拠 誤飲・誤食防止、導線確保。

お水・おやつ
店の器の貸出有無を確認。

持参器の使用が無難。

おやつは他犬の前でむやみに与えない。

アレルギーや資源防衛(リソースガーディング)に配慮。

根拠 食物関連のトラブル(一触即発になりやすい)の予防、衛生管理。

犬連れでない来客のマナー(触れ合い希望時)

– 許可の取得
触る前に必ず飼い主やスタッフに「触ってもいいですか?」と確認。

寝ている、休憩中、食事中、膝上にいる犬には基本的に触らない。

根拠 休息の自由と安全。

驚かせると防衛反応が出やすい。

触れ方
正面から覆いかぶさらず、横から手の甲を差し出し匂いを取らせてから、首の横や胸あたりを軽く撫でる。

頭頂部に手を被せる、抱き上げる、後ろから触るのは避ける。

根拠 体上部や背後からの接触は脅威と感じやすい。

咬傷予防の基本。

おやつ・撮影
勝手におやつを与えない。

写真はフラッシュ禁止、至近距離・無断の連写は避ける。

根拠 食物アレルギー・誤飲・行動の強奪化の予防。

光刺激・至近撮影はストレス源。

お子さま連れ
走らない・追いかけない・大声を出さない・顔を近づけないをあらかじめ説明。

根拠 予測不能な動きは犬の防衛行動を誘発しやすい。

トイレ・マーキング対策

– 兆候が出たら即対応
くんくん床を嗅ぐ、落ち着きなくうろつく、脚を上げようとする等の兆候があれば、すぐに外へ出てトイレ休憩。

雄犬はマナーベルトを推奨。

根拠 店舗衛生と匂い付けによる連鎖の予防。

飲食空間の衛生基準にも配慮。

失敗時の正直な申告
万一の粗相は隠さずスタッフに申告。

指示に従って清掃・消臭(清掃費がかかることあり)。

根拠 適切な洗浄・消毒は店舗の衛生維持に必須。

自己流対応はかえって汚れを広げることがあります。

吠え・興奮・トラブルの初動

– クールダウン
吠え始めたら環境から距離を取り、視線を切り、呼吸が落ち着くまで外でクールダウン。

落ち着いたら短い合図(おすわり、マット)で再着席。

根拠 しつけ学(学習理論)上、興奮状態では学習が成立しにくく、罰は副作用(恐怖連合)を生みがち。

距離を取るのが最も確実。

強制的な接触回避
苦手な犬や人との無理な挨拶・同席は避け、席替えや時間差対応を相談。

根拠 閾値管理(スレッショルド)によるリスク低減。

望ましい行動を強化する方が長期的に安定します。

看板犬・店の犬への配慮

– スタッフ主導を厳守
看板犬は勤務中でも休憩が必要。

寝ている・クレートやベッドにいる時は触らない。

抱っこや写真はスタッフのOKが出た時のみ。

根拠 動物福祉(5つの自由/5ドメイン)のうち「恐怖や苦痛からの自由」「正常行動を表現する自由」を守るため。

会計・席を立つ時の注意

– 立ち上がる順序
先に人が立ってから犬を立たせ、リードを短く。

通路側は譲り、すれ違いで距離を確保。

退店時も二重扉は一扉ずつ確認。

根拠 導線上の接触事故・逸走防止。

よくあるNGと代替行動
– 伸縮リードを伸ばしたまま入店 → 店内は短い固定リードに。

– 入店直後に他犬へ直行 → まず着席し落ち着いてから、許可を得て短い挨拶。

– テーブル脚にリードを結ぶ → 手保持 or 専用フック/自分の腰に固定。

– 勝手におやつ・撮影 → 許可を取り、周囲の犬の距離を確保。

フラッシュは使わない。

– 粗相を隠して自己処理 → すぐ申告し、店舗指示に従う。

このガイドの根拠のまとめ
– 衛生・安全
飲食空間では衛生基準が重視され、各自治体の保健所の指導のもと店舗ルールが定められています。

客側の手指衛生、犬の足拭き、マーキング対策、器の使い分け等は、食品衛生・公衆衛生の観点から合理的です。

法令と社会的規範
狂犬病予防法に基づく登録・注射は犬の飼い主の義務。

混合ワクチンや寄生虫予防は法的義務ではないものの、店舗が条件化するのは感染症リスク管理のために合理的です。

店内同伴可は店舗裁量と保健所の指導範囲内で運用されるため、個別ルールの遵守が必要です。

動物行動学・学習理論
犬は正面接近や上からの手、突然の接触に脅威を感じやすく、カーミングシグナルで不快を伝えます。

短時間挨拶・距離調整・環境からの回避は、ストレス閾値管理の基本。

正の強化で落ち着き行動(マットステイ等)を作るのが、吠え・飛びつき・引っ張りを減らす最も安全な方法です。

動物福祉
5つの自由/5ドメインモデルに沿い、恐怖・不快・痛みの回避、休息の確保、正常行動の発現(匂いを嗅ぐ、自発的に距離を取る等)を妨げない環境づくりが求められます。

触れ合いは「犬が望む時に、犬のペースで、短く、解散しやすく」が原則です.

小さなコツ
– 席に着いたら、犬に持参マットへ誘導し、落ち着いたら静かに褒める(少量のおやつで「ここにいると良いことがある」と学習)。

– 他犬が通る時は、犬の注意を自分に向け、「見て(アイコンタクト)→いい子」で通過をやり過ごす。

– 長時間の待機が必要な店では、咀嚼できるローハイド以外の安全なおやつや知育トイ(店のルール内)を事前に用意。

まとめ
入店から着席までの最重要ポイントは、1) 店舗ルールと衛生の尊重、2) 犬のペースとボディランゲージの尊重、3) 距離・導線・時間をコントロールすることです。

これらは、咬傷や衝突などの事故予防、食の安全、そして犬と人双方のストレス軽減に、行動学・衛生学の観点から合理的な根拠があります。

初めての店では不明点を率直にスタッフへ確認し、迷ったら「距離を取り、短く、許可を得る」を合言葉に行動すると、多くのトラブルを未然に防げます。

犬に安全に近づく・挨拶する正しいステップは?

以下は、ドッグカフェで初めて会う犬に安全に近づき、挨拶するための実践的な手順と、その根拠です。

犬ごとに気質や過去の学習歴が異なるため、必ず「相手(犬と飼い主)の許可」「犬の意思(選択と退出の自由)」「環境の安全」の3点を優先してください。

近づく前の準備

– カフェのルールを確認する(写真可否、抱っこ可否、オヤツ持ち込み可否、触れ合いスペースの範囲など)。

– 手を清潔にし、強い香水やぶら下がるアクセサリーは避ける(におい・揺れは刺激になりやすい)。

– 混雑や他犬の接近で興奮が高い時は、無理に接触しない。

最初に飼い主とスタッフへ確認

– 最低限の質問例
– 「触っても大丈夫ですか?」
– 「どこを触られるのが好き(苦手)ですか?」
– 「オヤツをあげてもいいですか?
アレルギーはありますか?」
– 「今は休憩中ですか?」(寝ている・バッグやカートにいる・テーブル下でくつろぎ中なら基本は触れない)
– 許可が出ないときは、見るだけ・話しかけるだけに留める。

犬への安全なアプローチ

– 正面から真っ直ぐ近づかず、体を斜めにして緩いカーブで近づく。

目線は柔らかく、凝視しない。

– 立ったまま覆いかぶさらず、必要に応じて横向きに腰を落とし(しゃがむ場合は転倒と顔の近接に注意)、体の側面を向ける。

– 手は犬の顔に突き出さない。

神話化された「手を嗅がせる」は、顔前に手を差し込むと圧になることがある。

手は体側に置き、犬が自発的に近づいてきたら、必要に応じて甲を見せる程度に静止(差し出し過ぎない)。

犬に主導権を渡す

– 声は小さく、速い動きは避ける。

呼びかけて反応が薄い、または視線を逸らす・身を引く場合は中止。

– 接近が難しい犬には、足元や自分の横に低くオヤツを「置く」か「軽く投げる」(許可がある場合のみ)。

あなた=良いこと、でも距離は保てるという学習ができる。

最初の接触(同意テスト)

– 飼い主がOK、犬が自ら近づいてくる、体が柔らかい(後述のボディランゲージ参照)なら、3秒だけ優しく触る。

– 触る場所は、胸前・肩・脇腹あたりの「上に覆いかぶさらない部位」。

頭頂・口周り・耳・しっぽ・足先・首輪付近は避ける。

– 3秒後に手を止める。

犬がさらに鼻でつつく、体を寄せる、手の下に頭や体を差し込むなど「もっと」のサインがあれば、再度3〜5秒。

離れる・身を固くする・あくび・舌なめずり・目をそらす等が出たら中止。

これが「同意(コンセント)テスト」。

なで方のコツ

– ゆっくり、面で撫でる。

トントン叩く・素早い連続タッチは興奮や不快につながる。

– 抱きしめる・顔を近づける・キスはしない。

特に子どもは顔を近づけやすいので大人が制止する。

– セッションは短く小分けに。

別の犬が来たら一度終了して全員にスペースを与える。

オヤツの使い方

– 必ず事前許可。

量・アレルギー・与え方を確認。

– 手の平を水平にして静かに差し出すか、地面に落として「取りに行ける距離」を保つ。

つまんで指先で渡すと誤咬が起きやすい。

– 興奮が上がり過ぎる犬にはオヤツを使わない、または一旦距離を取る。

終わり方

– 立ち去る時も曲線を描いて離れる。

犬がついてきたら、飼い主にバトンを渡すか、足元に置いたオヤツで進路をそらす(許可時)。

– 「ありがとう」と声をかけ、飼い主にも一言お礼を。

ドッグカフェ特有の注意点

– テーブル下・椅子の隙間・バッグ内・カート内・膝上の犬は「領域」や「休息」の要素が強く、警戒や資源保護(人・場所)が出やすい。

基本は触らない。

– 食事中・水を飲んでいる・オモチャやガム保持中の犬に近づかない。

– 複数犬が近い距離でいる時は、一頭ずつ。

群れの中に体を割り込ませない。

– フラッシュ撮影や大きな歓声、床でのセルフィーなどは避ける。

滑りやすい床で無理にしゃがむと事故につながる。

– 子ども連れは、大人が犬との距離・声量・動きをマネジメント。

走らない、追いかけない、抱きつかない。

犬のボディランゲージ(目安)

– フレンドリー/余裕あり
– 体がしなやか、口元が柔らかい、まばたき、尻尾が中位でゆったり左右に振れる、曲線的に近づく、自発的に接触。

– 警戒/ストレスサイン(初期)
– 目をそらす、頭や体を背ける、舌なめずり、あくび、前脚を軽く上げる、匂い嗅ぎに逸れる、体がやや硬い、尻尾が低い。

– エスカレートの兆候
– 体の硬直、目が見開く(白目が見える)、耳が後ろに強く倒れる、唸り、歯を見せる、尻尾がピンと高く硬い振り、背毛逆立ち、後退や回避。

– 重要 唸りは「これ以上は嫌」という正当なコミュニケーション。

叱責せず距離を取り、接触をやめる。

もしうまくいかない時

– 飛びつき・甘噛みには、体を横に向けて静止し、目を合わせず一歩引く。

飼い主に対応を任せる。

– 嫌がるサインが出たら即終了。

謝意を伝え、その場を離れる。

– 万一口が当たった・軽く噛まれた場合も、急に手を引かず、静かに距離を作りスタッフへ連絡。

状況説明に徹し、叱責や騒ぎ立てはしない。

自分の犬を連れている場合

– 短くたるみのあるリードで管理し、テーブル下でのマット待機など「落ち着ける場所」を用意。

– 見知らぬ犬との接触は「相手の許可」「自分の犬の意思」を両方確認。

自分の犬のストレスサインを最優先。

– 他人からの接触要望に対し、犬の状態が微妙なら丁寧に断ってよい。

擁護(アドボカシー)は飼い主の役目。

根拠(なぜこのステップが安全で、犬に優しいのか)
– 斜め・曲線的な接近
– 犬同士の儀礼的挨拶は真っ直ぐの突進を避け、弧を描く動きが多い。

正面接近・上から覆いかぶさる姿勢は脅威シグナルになりやすい。

獣医行動学やプロトレーナー(IAABC、APDT等)の基礎ガイドラインで一貫して推奨。

– 同意テスト(3〜5秒ルール)
– Fear Free、Pet Professional Guild、動物福祉系団体が推奨。

接触中に「一旦やめる→犬が再要求するか」を観察することで、犬に選択とコントロールを与え、ストレスと事故を減らす。

選択可能性はストレス緩衝因子として知られる。

– 顔前に手を突き出さない
– 「嗅がせるために手を差し出す」行為は、人側の意図に反し「顔へ物体が迫る」圧になりうる。

多くの行動専門家(例 Sophia Yin、Patricia McConnell、Fear Free)が、手を静止して犬からの接近を待つ、または体側・下方で提供する方法を推奨。

– 触る部位の選択
– 多くの犬は頭頂や口周り、足先、尾を防御的に感じやすい。

胸・肩・体側は受容されやすい傾向。

これは臨床現場(ACVB/獣医行動学)やシェルター行動評価で広く共有される実践知。

– ストレスサインの尊重
– いわゆる「攻撃の梯子」(Kendal Shepherd)や、AVSAB等の資料で、あくび・舌なめずり・視線回避・硬直・唸りなどが距離を増やすための段階的サインと整理されている。

初期サインで介入・中止すればエスカレーション(噛み)を予防しやすい。

– オヤツで距離を取りながら好印象を作る
– 古典的条件づけに基づく手法。

人の接近=良いことが起きる、ただし選べる距離で、という学習は恐怖の軽減に有効(Fear Free、AVSABの”Treat and Retreat”系プロトコル)。

– ハグ・顔の近接の回避
– 多くの咬傷は顔の近接時に起き、子どもが被害者になりやすいという疫学知見がある(公衆衛生機関や犬咬傷予防資料で一貫)。

犬にとってハグは拘束に近い。

簡易チェックリスト(入店〜挨拶)
– ルール確認→飼い主に許可を取る→犬の様子を観察→斜めからゆっくり→犬が来るのを待つ→3秒だけ撫でて止める→犬が「もっと」なら続行、そうでなければ終了→短く終えて感謝

最後に
ドッグカフェは、人にも犬にも刺激が多い環境です。

最優先は「犬に選ばせること」と「早めにやめる勇気」。

この2つを守るだけで、事故の多くは未然に防げ、犬にもあなたにも心地よい時間になります。

もし迷ったら、スタッフや飼い主に「今この子にとってベストは何ですか?」と聞いてください。

それ自体が、犬に優しい挨拶の第一歩です。

撫で方・おやつ・写真撮影のOK/NGは?

ドッグカフェは、犬と人が同じ空間で心地よく過ごすための場所です。

いちばん大切なのは「犬・飼い主・お店」の三者が安心できること。

そのうえで、撫で方・おやつ・写真撮影にはOK/NGの基本があり、犬のストレスサインを読み取る姿勢が欠かせません。

以下に実践的な手順と注意点、そしてそれらの根拠をまとめます。

まずの原則(三つの合意)
– 合意1 お店のルールに従う(掲示・口頭での指示、席での飲食、おやつの持ち込み可否、写真ポリシーなど)。

– 合意2 飼い主の許可を得る(「触ってもいいですか?」「おやつあげてもいいですか?」「写真いいですか?」の一言)。

– 合意3 犬の合意を確認する(近づく・触る・撮る各段階で、犬が自発的に近づき、リラックスしているかを観察)。

撫で方のOK/NG
OK(こんな手順が安全・快適)
1) アプローチ
– 真っ直ぐ見つめて突進しない。

横からゆっくり近づく。

– 手の甲を少し差し出して匂いを嗅がせ、犬が自ら距離を縮めるのを待つ。

– 子ども連れなら、大人が先に犬と合意をとり、子どもは静かに、屈んで、急な動きを避ける。

2) 最初に触る場所
– 首の横、胸、肩、背中の上部など、多くの犬が受け入れやすい部位から。

– 撫で方は短く優しく、円を描くよりも毛並みに沿ってゆっくり。

3) 犬の反応を見て加減
– 体が柔らかく、目が細まり、体を寄せてくるなら継続OK。

– 一度に数秒にとどめ、合間に手を止めて「続ける?」と犬の選択肢を作る。

NG(避けたい行為)
– いきなり頭頂や顔面に手を伸ばす、上から覆いかぶさる。

– ハグ・抱きしめ・顔を近づけるキス(多くの犬にとって拘束感・威圧)。

– しっぽ、足、尻尾の付け根、耳、口周りを最初から触る。

– 無理に抱き上げる、睡眠中の犬を起こす、食事中・おもちゃ保持中に手を出す。

– しつこく追いかける。

犬が離れたら終了。

おやつのOK/NG
OK(与える前の確認と手順)
– 店のルール確認 持ち込み可否、販売おやつの利用推奨など。

– 飼い主の許可 アレルギー・ダイエット・訓練方針に関わるため必須。

– 種類と量 犬用のおやつを小さく砕き、1回1〜2粒程度から。

総摂取カロリーの10%以内が目安。

– 渡し方 平手にのせるか、地面にそっと置く(指先でつまんで差し出すと噛み込みやすい)。

複数犬がいる場合は距離をとり、誘発性の高い場面を避ける。

– タイミング 静かに座る・アイコンタクトなど落ち着いた行動の直後に与え、興奮を強化しない。

– 衛生 手指の消毒・食後の水分補給・食器共有をしない。

NG(与えてはいけないもの・状況)
– 人間の食べ物(塩分・脂肪・味付け・香辛料)。

特に危険 チョコレート、ブドウ/レーズン、タマネギ/ニンニク、キシリトール、アルコール、カフェイン、マカダミアナッツ、脂の多い肉、調味された加工品。

– 初対面での高価値おやつの乱用(資源防衛や群れの争いの引き金)。

– 飼い主不在時に勝手に与える、子犬・高齢犬・持病持ちへの独断投与。

– 大きく硬いガムや骨(喉詰まり・歯の破折)。

お店の指示に従う。

写真撮影のOK/NG
OK(快適に撮るコツ)
– まず飼い主とお店に許可。

背景に他の客が映らない配慮も。

– フラッシュ・大音量のシャッター音・連写の多用を避け、短時間で切り上げる。

– 犬の目線に合わせて低い位置から、斜め横顔など威圧感の少ない構図。

– おやつやおもちゃで誘導する場合も、犬が自発的に動く範囲で。

長く拘束しない。

– 抱っこショットは飼い主が安全にサポートできる場合のみ。

無理に持ち上げない。

ソファ端・椅子の背もたれなど落下リスクに注意。

– SNS投稿時は位置情報の扱い、他者の顔や車ナンバー等の個人情報を配慮。

NG(避けるべき撮影)
– 無断撮影(犬・飼い主・他客)。

店内ポリシー違反。

– フラッシュを焚く、電子音・連写で犬を驚かせる、長時間のポージング強要。

– 食事中・睡眠中・不安サインが出ている犬にカメラを近づける。

– 通路を塞ぐ、犬の退路をふさぐ、混雑時に群がる。

犬のストレスサインを読む(このサインが出たら距離をとる)
– 体が固くなる、尾を下げる・脚の間に巻き込む。

– 目をそらす、白目が見える(ホエールアイ)、耳が後ろに寝る。

– あくび、鼻舐め、ブルブルと身震い(状況にそぐわない頻回)。

– 低く唸る、歯を見せる、後ずさり、飼い主の後ろに隠れる。

– 興奮しすぎて飛びつき・吠えが増える(ストレス由来のことも)。

これらが見えたら、撫でる・おやつ・撮影を一旦やめ、距離をとり、犬の選択に任せてください。

よくあるシチュエーション別ヒント
– パピー(子犬) 刺激耐性が未熟。

短い接触→休憩のサイクル。

抱っこやポーズは最小限。

– 小型犬 上から覆う姿勢が威圧的。

床や低い椅子で、横からそっと。

– 多頭 おやつは順番と距離を管理。

写真は1頭ずつ、退路を確保。

– 雨の日・満席時 環境ストレスが高め。

長居せず、質の良い短時間のふれあいを。

根拠(背景にある行動学・安全指針)
– 犬の合意と接触部位に関して 多くの行動学者・保護団体(RSPCA、ASPCA、AKC、Fear Free Pets、IAABC)が、初対面での「頭や顔に手を伸ばさない」「犬から近づかせる」「胸や肩などから優しく撫でる」を推奨。

研究でも、頭部や足先へのタッチは回避行動やストレスサインと関連しやすいことが報告されています(Kuhne らの人‐犬の撫で方と行動・心拍の研究など)。

– ストレスサイン(カーミングシグナル) あくび、鼻舐め、目をそらす、体のこわばり等は、犬が緊張を和らげようとするサインとして広く記述されています(Turid Rugaasのシグナル概念、RSPCA/ASPCAの教育資料、Fear Freeのハンドアウト等)。

– 正の強化とおやつの扱い AVSAB(米国獣医動物行動学会)はご褒美を用いた報酬ベースのアプローチを推奨。

AAHA(米国動物病院協会)や多くの栄養指針は「トリーツは1日の総カロリーの10%以内」を推奨。

アレルギーや肥満、資源防衛リスクから、飼い主の許可と少量・管理が原則。

– 禁忌食品 チョコレート(テオブロミン)、ブドウ/レーズン(急性腎障害)、タマネギ/ニンニク(溶血性貧血)、キシリトール(低血糖・肝障害)、アルコール、カフェイン、マカダミアナッツなどの毒性は、獣医学文献・中毒データ(ASPCA Animal Poison Control、各国獣医協会)で確立。

– 写真撮影とストレス 突然の閃光や大きな電子音は驚愕反応とストレスを増やし、恐怖条件づけを招く可能性があるため、行動学的には回避が推奨されます(Fear Free、RSPCAの撮影・取り扱いガイド)。

長時間の拘束・退路の遮断は攻撃的防衛行動のリスク要因。

– 法的・社会的配慮 日本でも肖像権・プライバシーの観点から、他客や飼い主を無断で撮影・公開しないことがマナー。

店舗の撮影・投稿ポリシーに従うのが安全。

クイックチェックリスト(入店〜退店)
– 入店時 ルール確認→手指消毒→穏やかな挨拶。

– 触れる前 飼い主に許可→犬に自己選択の余地→胸・肩から短く。

– おやつ 店と飼い主に確認→犬用少量→平手で、落ち着いた行動を強化。

– 写真 許可→ノーフラッシュ・短時間→退路確保・周囲の人の配慮。

– 途中で ストレスサインが出たら中止、距離をとって休憩。

– 退店時 手洗い・片付け、スタッフと飼い主へお礼。

「犬・飼い主・お店」の三者にとって快適なふれあいは、また会いたいと思ってもらえる最良のマナーです。

上のOK/NGと根拠を押さえておけば、ドッグカフェでの時間はぐっと安全で楽しいものになります。

吠えや噛み・体調不良などのトラブルにどう対処すればいい?

以下は、ドッグカフェで「吠え」「噛み(甘噛み含む)」「体調不良」などのトラブルが起きたときの実践的な対処法と、なぜそれが有効なのかという根拠です。

来店者(他人の犬と触れ合う立場)と、愛犬同伴の来店者の双方に役立つ内容をまとめています。

結論として大切なのは、犬のボディランゲージを読み、距離・環境・時間を調整して“落ち着ける条件”を作ること、そして無理をさせないことです。

1) 犬のサイン(前提)
– 近づいて良いサイン
– 自分から近づく、体が柔らかい、口角が緩い、尾が水平〜やや振る、耳が中立
– ストレス・警告サイン(関わりを減らす)
– 体が固い、体を背ける、目をそらす・白目が見える(ホエールアイ)、舌なめずり・あくび、尾を巻く、唸る、後退、毛が逆立つ
– 触れ合い時の「同意テスト(3秒ルール)」
– 3秒撫でる→手を止める→犬が「もっと」と寄ってきたら続行/離れたら中止
根拠 犬の「カーミングシグナル」(Rugaas)や攻撃性の階段(K. Shepherd)など、犬が回避・鎮静のシグナルで距離を求めることが行動学的に示されている。

ストレス時は防御的行動(唸る→噛む)に移行しやすい。

2) 吠えへの対処
A. なぜ吠えるか(主な機能)
– 警戒・恐怖(見知らぬ人・犬、物音、狭い距離)
– 要求・フラストレーション(構って/遊びたい)
– 興奮・過剰覚醒(環境刺激が多い)
– 痛み・不快(体調不良、ハーネス擦れ等)

B. 他人の犬が吠えた場合(来店者)
– 視線を外し、体を斜めにして距離を取る(犬の圧を減らす)
– 口頭・手の合図・前傾・手の差し出しをやめる
– 席が近い・通路が狭い場合は静かに席移動をスタッフに相談
– 同伴犬がいれば間に物理的バリア(椅子・体の位置)を置き、見えない角度を取る
– 落ち着いたら褒め言葉はOK。

食べ物・おやつはスタッフや飼い主の許可がある場合のみ
根拠 恐怖ベースの吠えは「距離を取らせる」ことで減少(負の強化の反対、距離の調整が機能的強化子)。

直視や正面からの接近は犬に社会的圧を与え興奮・恐怖を増幅(AVSAB)。

C. 自分の犬が吠えた場合(同伴)
– まず原因を評価
– 警戒型 見える範囲を絞る、席位置の変更、視界遮蔽(バッグ・ブランケット)
– 要求・興奮型 落ち着いた行動にだけ注目・報酬(伏せ・静かにする)/吠えには反応しない
– 密度過多 滞在時間短縮、混雑時間を避ける
– スタッフへ相談(席替え、パーテーション、距離確保、におい嗅ぎ休憩)
– しつけの原則
– 叱責・罰は使わない(恐怖・攻撃性を悪化、一般化を起こす可能性)
– 落ち着いた瞬間をマークして報酬(言葉・許可されたおやつ)
根拠 罰は恐怖・攻撃性を増すという行動学的・臨床報告(AVSAB「罰に関する声明」)。

落ち着いた行動の強化は古典的・オペラント条件づけの基本(正の強化)。

3) 噛み・甘噛みへの対処
A. 予防(接触前)
– 必ず飼い主・スタッフに「撫でて良いか」を確認
– 真上から手を出さない、顔を近づけない、抱きしめない
– 初対面では胸や肩などから軽く、短時間
– 子どもは膝立ち・ゆっくり・一人ずつ、食べ物を持たせない
– 犬が離れたら追わない
根拠 顔や頭上からの接触は威圧になりやすく、咬傷のリスクを高める(RSPCA、AVSAB)。

B. 甘噛み・口を当ててくる
– 手を素早く引かない(追い反応を誘発)。

代わりに静止→体をそらす→関わりを中断
– 興奮が高ければ間を空け、落ち着いたら短時間再開
– おもちゃなど「噛んでよい対象」への転換は飼い主がいる場合のみ、カフェ備品があればそれを使う
根拠 行動の機能(構って欲しい)に対して「相手の反応が消える(中断)」ことが最も学習効果を持つ。

素早い手の引きは遊びモードを強化しがち。

C. 本気噛み・前兆
– 前兆 体が固まる、凝視、唸り、歯を見せる、尾が固い・停止
– 対処 静止→視線を外す→ゆっくり斜め後退→スタッフと飼い主を呼ぶ。

周囲に「近づかない」周知
– 噛まれた場合
– 手を急に引かない(布やバッグを間に挟む、体を固定して相手が口を外すのを待つ方が損傷が少ないことが多い)
– 皮膚が破れたら石けんと流水で5分以上洗浄、消毒、医療機関へ(特に深い穿通創は受診)。

破傷風ワクチン歴が古い場合は相談
– スタッフへ報告、飼い主情報と状況記録(時間・場所・目撃者)
根拠 急激な牽引は裂創を悪化させる。

動物咬傷はPasteurella等の感染リスクがあり、早期洗浄と医療評価が推奨(公衆衛生指針)。

破傷風は10年以内でも医師判断で追加が考慮される。

4) 体調不良への対処
A. よくあるサイン
– 軽度 頻回のあくび・舌なめずり、震え、過呼吸(パンティング)、落ち着かない
– 警戒 嘔吐・下痢、咳、跛行、過度のよだれ、急な無反応、ぐったり、ふらつき
– 緊急 失神、激しい呼吸困難、泡を吹く、痙攣、吐こうとして出ない(誤嚥・食道閉塞の疑い)、熱中症疑い(舌が真っ赤・粘稠な唾液・倒れる)

B. 来店者として他人の犬に気づいたら
– すぐスタッフに知らせ、犬に触れず、スペースを空ける
– 嘔吐・下痢など体液には触れない(感染対策)。

スタッフの消毒手順に任せる
根拠 カフェ環境では所有者・スタッフが医療判断の窓口。

第三者の独断の処置は事故を招く。

C. 同伴犬の不調時
– 軽度ストレス 席を静かな場所へ、視界を減らす、滞在を切り上げる
– 嘔吐・下痢 すぐ退出し動物病院へ(繰り返す、血便・黒色便、ぐったりなら緊急)
– 熱中症疑い 直ちに涼所へ移動、扇風・濡れタオルで頸部・脇・内股を冷却、常温水を少量ずつ、回復待たずに病院へ
– 誤嚥・喉詰まり疑い 無理に口へ手を入れない。

窒息徴候(チアノーゼ、無音の咳、パニック)があれば至急スタッフ経由で救急手配。

専門手技(ハイムリッヒ様手技等)は誤施行リスクがあり、原則訓練者のみ
根拠 熱中症は迅速な冷却と輸液が予後を左右(獣医救急指針)。

素人の咽頭操作は外傷・誤嚥リスクが高い。

5) 複数犬・環境管理
– 距離と視界
– 席間を広く、通路は空ける。

見通しが良すぎると警戒吠えが増えるので遮蔽物を活用
– 音・刺激
– 大きな笑い声、椅子の引きずり、食器音はトリガー。

音量を抑え、落とし物は静かに回収
– おやつ・食事
– 許可なく与えない。

多頭がいる場で投げ与えは資源競争・喧嘩の原因
– リード管理
– 伸縮リードはロックし短く。

椅子脚への固定は転倒リスクがあるため手元保持が安全
– 子どもの同伴
– 走らない、叫ばない、犬を追わない。

両手を胸にしまって「木になって」待つと、跳びつき犬に安全
根拠 犬の資源ガードや閾値は距離・密度・可視性に依存。

環境調整(マネジメント)は再発予防に最も即効性がある(行動修正の基本原理)。

6) トラブル発生時の共通フロー
– 危険の排除 距離を取り、関与者・子どもを下げる
– スタッフを呼ぶ 店の手順(仕切り、消毒、記録、必要時の医療連絡)に従う
– 記録 時間、場所、犬の様子、誘因(音、接近、食べ物など)
– 再開判断 犬が落ち着くまで休ませ、必要なら退店・再訪を検討

7) 予防のための来店前チェック(同伴犬)
– 体調 下痢・咳・皮膚病変がある日は控える
– ワクチン・寄生虫予防 最新の計画を獣医と確認
– 社会化段階 カフェは高刺激。

初回は短時間、空いている時間帯に
– 持ち物 落ち着けるマット、排泄袋、普段食べているおやつ(店の許可必須)、水
– 合図の練習 「見る→ごほうび」(刺激を見たらこちらに注目)、「伏せ・待て」、マットで休む
根拠 予防的マネジメントと段階的暴露はストレスを下げ、問題行動を未然に防ぐ(Fear Free/LSA系ガイド)。

8) よくある誤解と正しい対応
– 誤解1 吠えたら口をつかんで黙らせる
– 反論 罰は恐怖・攻撃性を悪化、咬傷リスク上昇。

静かな行動を強化し、距離や環境を調整するべき(AVSAB)
– 誤解2 犬は撫でられるのが好きだから、どの犬でも嬉しい
– 反論 個体差が大きい。

合図と同意テストで確認する
– 誤解3 噛まれたら強く振りほどけば良い
– 反論 裂傷を悪化させる。

静止・遮蔽物・落ち着いた離脱が安全

9) もし喧嘩が起きたら(複数犬の衝突)
– 手を口元に入れない、首輪に素手で手を入れない
– 大きな音、ブランケット・ボードで視界を遮る、椅子やクッションを間に入れて分断(スタッフが優先対応)
– 離れたら距離を確保し、すぐに落ち着ける空間へ
根拠 直接的な素手の介入は重度咬傷の主因。

視覚遮断と物理バリアは比較的安全(動物保護団体の現場指針)。

10) 店側に頼れること
– 席替え、仕切り、サイン(「触れ合いNG」「練習中」など)、犬用マットの貸し出し
– スタッフが犬の性格・相性を把握している場合があり、最適な距離や席を提案できる
– 事故時の手順(記録、消毒、応急対応、提携病院の連絡)

根拠(主な学術・団体ガイドライン)
– AVSAB(米国獣医動物行動学会)各種声明 罰のリスク、正の強化による学習の推奨、恐怖・攻撃性の扱い
– Turid Rugaas「Calming Signals」 犬の鎮静シグナルの解釈
– RSPCA/ASPCAの咬傷予防・犬との接し方ガイド 接近角度・子どもの安全
– Fear Free/AAHA行動ガイド ストレスの最小化、環境調整、段階的暴露
– 公衆衛生・救急指針 動物咬傷の洗浄・医療評価、破傷風管理、熱中症の初期対応

最後に
– ドッグカフェは「人と犬が心地よく過ごす練習の場」。

無理をさせず、犬の小さなサインに気づいたら一歩引くことが最大の安全策です。

吠え・噛み・体調不良は“犬が助けを求めるサイン”と捉え、距離・環境・時間の三要素を調整し、スタッフと連携して落ち着ける条件を整えましょう。

これが、科学的根拠に基づく最も再発を防ぎやすい対処法です。

【要約】
ドッグカフェは同伴型とふれあい型で準備が異なる。来店前に予約・時間・料金、撮影可否、子ども同伴、飲食・衛生・一般マナーを確認。同行犬はワクチン等証明、ノミダニ対策、発情期不可、固定リード・マナーウェア必須が多い。ふれあいは触れ方と衛生・服装・年齢制限に注意。持ち物は証明書、固定リード、マナーウェア、排泄・清潔用品、ブランケットなど。外部おやつ持ち込み不可や過度な吠えは退店対象の場合も。

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